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東京高等裁判所 昭和55年(行コ)15号 判決

控訴人(原告) 千葉稔

被控訴人(被告) 国

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴代理人は、「原判決を取消す。被控訴人は東京都国分寺市に対し、金四七六三万六九七五円及びこれに対する昭和四九年二月一三日から支払済みに至るまで、年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」旨の判決並びに仮執行の宣言を求め、被控訴指定代理人は、主文同旨の判決を求めた。

当事者双方の主張及び証拠関係〈省略〉

理由

当裁判所も、控訴人の被控訴人に対する本件請求は、すべて失当として棄却すべきであると思料するものであつて、その理由は、原判決四九丁裏五行目「できない。」の次に左のとおり附加するほか、原判決理由中の認定判断と同一であるから、これを引用する。

成立に争いのない甲第二二ないし第二六号証、当審証人桑原重久の証言によつて原本の存在と成立を認め得る甲第二七及び第二八号証と同証言によると、国の交付基準その前提となる最低基準により保育所を運営するときは、保育所職員の労働がかなり重くなり、父母の負担も多くなり、労働組合や父母からの改善の要望が出ていること、国分寺市においては右基準を上回る運用をしていること等が認められるが、これら事実によつても、未だ前記認定判断を左右するに至らない。

よつて、原判決は正当であり、本件控訴は理由がないので、これを棄却することとし、訴訟費用の負担につき、民訴法九五条、八九条を適用し、主文のとおり判決する。

(裁判官 田尾桃二 内田恒久 藤浦照生)

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